前回、この段差をクリアするためにと、椅子と15㎝台を用意しました。
立った状態で段差を跨ぐ必要がなくなったため、第一関門突破…と思いましたが、いくつか新たな課題が出て来ました。

①座面の高さが61cmにもなる。
ご利用者様は身長160cm程で、椅子に座るには、立った時に十分に膝を伸ばし、上体を起こす必要があります。また、車椅子を避けて椅子と台をセットするには30秒以上かかるのですが、ご本人の立位保持の能力ギリギリの時間で、ご本人も介助者も大変でした。更に、座ったまま椅子と台を動かす時はかなり重たく、それが出来る職員が限られてしまっていました。

②椅子からシャワーチェアーまでが遠い。
距離が遠いことで、移乗時、立ち上がってそのままお尻の向きを変えるだけ…の方向転換は困難です。介助者が抱えあげて、椅子まで運ぶような動作となり、これもまた出来る職員が限られてしまいます。もしもの時の2人介助も難しい環境なので改善したいと思っていました。

以上の2点を解決するために、車椅子ごと脱衣所に近付く方法を考えました。この方法であれば、ご本人も介助者も楽に入れそうでしたので、次でご紹介します。